ふるさとの川とともに生きる

旭川流域ネットワーク(ARーNET)

 

旭川(あさひがわ)は、中国山地の火山である蒜山三座(上蒜山・中蒜山・下蒜山)を最北端にして県庁所在地である岡山市の中心部を流れ、瀬戸内海の児島湾に注ぐ一級河川です。国土交通省や岡山県の資料によると、旭川本流の源流は、蒜山高原の南西端にある朝鍋鷲ヶ山高原がその源流とされています。しかし、旭川には数知れない支流があり、この支流から流れる水が集まって旭川の流れが形成されるのですから、源流は各地に有るというのが正しいのではないかと思います。

 多くの源流から集まった旭川の流れは,美しい自然を形づくるとともに豊かな水の恵みをもたらし、多様な風土を育むなど、流域に様々な恩恵を与えてくれています。

 この旭川の全ての源流に、河口からリヤカーでリレーして、源流の碑を運び、「もっといい川にしよう」そして「次代の子ども達に、よりよいふるさと、水環境を引き継ごう」と、川に関心を持とうという活動を軸に、流域全体の情報を共有し、行政とも「緊張感あるいい関係」で協働し、頑張っている旭川流域ネットワーク(AR-NET)の紹介をさせていただきます。

 

AR―NET発足

 平成9年の河川法改正で河川管理の目的に「環境」が加わり、「河川の計画に地域の意見を反映」することになったことを契機に、建設省(2001.1.6から国土交通省)岡山河川工事事務所(2003.4.1から岡山河川事務所)が、旭川に関わっている様々な団体の方々に呼び掛け、共同で旭川の河川環境点検を行い、点検の後意見交換会を開きました。

 この意見交換の場で、改正河川法の趣旨を活かすには、河川管理者と市民との協力が必要であることが認識されました。そして、日頃からお互いの信頼を構築し今後も意見交換を継続し、て行くことになりました。

川に関心を持つより多くの人が意見交換に参加できるようにする必要があることも確認され、河川法改正の主旨をもっと多くの皆さんに知って頂くことや、流域の各地域で自分達の川に対して、どうあって欲しいのかという意見を持って頂くことが必要だということになり、その手段として「旭川源流の碑」を建立しようということになりました。

 

テキスト ボックス:  この提案は、意見交換会の1ヶ月後に具体化され、河口から川上村上徳山の源流まで140qの行程を50日かけて各地の団体がリレーをしてリヤカーで運びました。

 

旭川源流の碑の建立は、リヤカーで運んだ38団体の人達に呼び掛けて、前日に開催された旭川流域交流シンポジウムの基調講演での多摩川センターの山道省三氏

のご指導を元に議論を行い「旭川流域ネットワーク(AR - NET)」の発足が決まり、流域を4つの地域に分けて話し合いが持たれ、活動の内容等についての検討がなされ、流域の情報の共有による、緩やかな連携をしようということになり、AR−NETの活動が始まりました。

 

AR―NETNEWS

情報ネットワークとして位置付けられたAR - NETは、情報の共有手段として、参加している団体から送られてくる川の様子や活動状況等の情報をFAXや電子メールを使って加入団体に「AR - NETNEWS」にまとめて配信しています。

また、流域全体や各地域での共同の活動、行政との意見交換等も行うことになりました。 発足から11年目を迎えた現在、加入団体は約50団体となり、流域全体から寄せられる情報を伝えるAR - NETNEWSは、ほぼ毎週の発行となりました。

 

源流の碑の建立

平成9年の源流の碑建立の翌年の平成10年には、旭川流域で一番大きな支川である新庄川の源流に碑を建てたいとの申し出があり、新庄村へ旭川源流の碑が運ばれ建立されました。テキスト ボックス:

この2本目となる碑の建立により、全ての源流から河口までを大切にしようということになり、以後中和村の山乗渓谷、美甘村の鉄山川、富村の白賀川、久世町の足尾川に建立され、15年は加茂川町の加茂川(鳴滝)へ、16年は勝山へ、17年は美咲町大山川へ、18年は真庭市(旧落合町)塩滝へ、そして19年は岡山市牟佐の太戸の滝へ運ばれ建立されました。

 この活動はただ碑を運んで建立するだけでなく、引継に際しては、川に関心を持っていただくための様々な行事を行う他、建立の前日には流域全体に係わる様々な問題を話し合い、自分達にできること探る「旭川流域交流シンポジウム」も継続して開催しています。

 

 

旭川流域連絡協議会

 AR−NETNEWSで様々な河川行政にかかる情報も伝達されることになると、市民団体の皆さんが、市町村や県の出先機関に新しい施策や、情報を持って相談に行かれるようになりました。

 しかし、市町村や県の窓口担当者は、そのような情報を知らないことが多く、意見交換が出来ない状況が生じました。

 このことから、AR−NETは、民間だけでなく行政も流域全体でネットワークを構築し、様々な行政情報を共有して欲しいと行政に呼び掛けを行い、平成11年3月には、流域の23市町村(現在は3市4町1村)と河川管理者である岡山県と建設省(国土交通省)で構成する旭川流域連絡協議会が発足しました。

 そして、この協議会とAR−NETが協力して「旭川清流ワークショップ」を開催し、全国の皆さんにもお出で頂いて、旭川での取り組みを紹介しました。以後旭川流域交流シンポジウジウムは、AR−NETと協議会の共催で開催されることになりました。

 

旭川一斉水質調査

流域全体にネットワークがあることから、平成11年に日本陸水学会から「陸水観測100周年記念事業」として、同じ日の同じ時間に流域全体を一斉に水質調査を実施する「旭川流域一斉水質調査」を実施して欲しいと

の申し出があり流域の58箇所を約300名の参加により実施しました。

旭川の水質の実態を自分達で調べ、その情報を公開して共有するこの試みは、そのとりまとめを漫画的な指標を用いた「旭川の健康診断」という地図で表現したこともあり、分かり易くて大好評でした。以来旭川流域を一斉に水質調査する「旭川の健康診断」は、旭川流域連絡協議会から試薬等の提供を受け、継続して実施されており、平成17年は142箇所での調査を実施し結果の公開をしています。

 

 

川の学習の支援(旭川博士)

流域小中学校もAR−NETに加入したことから、ふるさとの自然や歴史・文化と人々の暮らし、そして地球を巡る水の通り道である川との関わりを学ぶ授業の支援を行っています。

この学習の支援は、それぞれの分野で体験や知識を持っているAR−NETのメンバーを「旭川博士」として登録し授業の支援を行うという方法で行っています。

 

全国の皆さんとのネットワーク

このような活動の広がりの中で、平成15年からは、多摩川源流研究所に事務局を置く、全国源流ネットワークにも参加させていただくことになり、全国源流シンポジウム、全国源流フォーラム等を通じての全国の皆さんとの交流も始まっています。

今後も全国の元気な皆さんとの交流を深めご指導を頂きながら、旭川をふるさとの川として次代の子ども達が誇れるようにしていきたいと思っています。

《事務局》 竹原和夫(岡山おもしろ倶楽部) 

 e-mail: okakawa2@yahoo.co.jp 

 

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